顔写真を判別するプログラム構築によるデータサイエンス研修


 近年さまざまな分野においてビッグデータを活用すべく人工知能(AI)による解析が行われ、医療を含む生命科学分野でも着々と応用されています。その中でも特にディープラーニングと呼ばれる手法が注目を集め、画像認識をはじめあらゆるAIの中核を担っています。実際、どのような入力データがどう処理され、何が出力されるのでしょうか。実は便利なツールが数多く、しかも無償で提供されており、難解なプログラミング技術を持たずともさまざまなケースをディープラーニングで試すことが可能です。自ら取得したデータを自ら処理する体験は、画像認識に限らず今後のそれぞれの研究に活かすことができるはずです。

 国立成育医療研究センターでは、身近な顔写真を独自に収集し、その性別等を判別する単純なAI作成、ウェブアプリとしての実装を題材とし、職員を対象としたデータサイエンス研修を1年間にわたり開催しています。ITに関して得意な方も不得意な方も、事務職員も含めて自由に参加していただき、主にwikiを通じたコミュニケーションにより、既存のハードウェア、全て無償のソフトウェアを利用して研修を進めています。Linuxのインストールから、サーバ設定、ネットワーク設定、プログラミング、画像処理、ディープラーニングのフレームワーク利用、ウェブサイト構築、ウェブアプリ作成というように研修内容は多岐に渡り、テーマごとに週に1回程度希望者が集まって、それぞれが体験したことを共有することによって理解を深めています。

 ディープラーニングにおいて最も困難な課題はビッグデータの収集かもしれません。従来の同意取得方法では、最低数万といわれる必要サンプル数を医療の分野で確保することはきわめて難しい状況です。今回の顔写真収集では、疾患情報を利用せず、姓名やメールアドレスなどの情報も収集せずにスマートフォンで同意取得できる方法を模索し、倫理審査を経て準備を行ってきました。研修の過程や、データ、プログラム、成果はウェブサイトを通じて公開しています。顔写真の提供は20歳以上の一般の方にもお願いしていますので、もし興味がありましたら以下のサイトから覗いてみてください。





このwikiは以下のサイトに移行しました
http://foxglovetree.wiki.fc2.com/

 -- Kohji 2019-03-13

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